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【健康知識】 2016インフルエンザの季節:大人とは違う子どものインフルエンザ

 秋冬の季節に入り、気温が徐々に下がるにつれ、新たなインフルエンザウイルスが私たちのすぐそばにまで忍び寄っているかもしれません。体も丈夫で健康な大人にとっては、インフルエンザも大したことではないかもしれませんが、子どもたち、特に赤ちゃんにとっては大きな脅威となります。どんな方法で子どもたちをインフルエンザウイルスから守らなければならないのでしょうか?小児科の専門医から親の皆さんに子どものインフルエンザに関する注意点を教えていただきましょう!


インフルエンザの症状には子どもと大人でどんな違いがありますか?


 大人のインフルエンザは急な高熱、倦怠感、全身の筋肉のだるさ、結膜炎や軽度の気道感染の症状が現れますが、子どもの多くは感染経験がなく、インフルエンザウイルスに対する免疫力も比較的低いため、その臨床症状も様々です。インフルエンザにかかった子どもの症状としては、高熱が出るものの、気道の症状はあまり顕著でなく、このほか胃腸の目立った症状、例えば、吐き気や嘔吐、下痢、食欲不振などが現れる可能性があります。


子どものインフルエンザではどんなことに気をつける必要がありますか?


 子どものインフルエンザの特徴としては、一般的に急性であること、自己制限疾患(治療なしで自然治癒する疾病)であることがあげられ、比較的単純な疾病だと言えます。しかし、親の皆さんはインフルエンザが重い合併症を引き起こすハイリスク因子に注意が必要です。
 - 年齢が低い(<5歳、特に2歳以下の子ども)
 - 慢性の合併症(肺、心臓、腎臓、肝臓、神経、血液、代謝性疾患等)
 - 長期のアスピリン投与を受けたか
 - 免疫抑制状態の子ども
 - 重度肥満の子ども


子どものインフルエンザはどんな合併症を引き起こす可能性がありますか?


 - 中耳炎:毎年インフルエンザの時期になると、3-5%の子どもがインフルエンザにより急性中耳炎にかかる。一般的にインフルエンザの症状が現れてから3-4日後に発症する。
 - 下気道への影響(肺炎)、ウイルス性肺炎と細菌性肺炎を含む。インフルエンザウイルス、RSウイルス、ヒトパラインフルエンザウイルスは、いずれもウイルス性肺炎を引き起こす可能性があり、臨床特徴においては区別が難しい。インフルエンザウイルスは黄色ブドウ球菌や肺炎連鎖球菌への二次感染や合併症を引き起こし、細菌性肺炎へと至る可能性がある。
 - 心臓への影響(心筋炎など)や神経系統への影響(脳炎など)は比較的少ない。


子どもにインフルエンザワクチンの予防接種は必要ですか?


 もちろん必要、とても必要です!


 生後6カ月から3歳までの乳幼児はインフルエンザのハイリスク群であり、感染率は50%以上で、成人の1.5~3倍となっています。また赤ちゃんがインフルエンザに感染した場合、重い合併症を引き起こしやすく、例年インフルエンザによる乳幼児の死亡率は3%に達するため、赤ちゃんのインフルエンザ予防は非常に大切です。


 専門家のアドバイス子どもがアレルギー体質でなく、またその他のインフルエンザワクチンへの禁忌症がないなら、親の皆さんはできる限り毎年子どもにインフルエンザワクチンを接種させるべきでしょう。これは、身体の抵抗力が弱い子どもにとっては特に重要です!


ワクチンの接種後、子どもの気分が悪くなるのはどうしてですか?


 多くのお母さんたちにとって、子どもがワクチン接種後に体の不快感を訴えるのは、ワクチンの副作用によるものではないかと気がかりかもしれません。しかし、正規の薬品工場や専門の医療機関、規制下で購入、輸送、保管されたインフルエンザワクチンを接種するのはとても安全です。
 また、子どもが接種後に覚える不快感はそれぞれの体質によって異なり、一部の子どもはワクチン接種後に軽い身体反応が起こるかもしれませんが、成人でも同様の状況が見られ、これらはどれも正常な反応です。接種部分が赤く腫れて痛みを覚えたり、疲労感やだるさ、発熱などが現れる場合がありますが、これらの症状はいずれも人体や薬効に影響はなく、水分補給を欠かさず休息を十分にとれば、症状は短期間で解消されるでしょう。
 注意赤ちゃんをインフルエンザワクチン接種に連れて行った際、接種後30分間はその場で休ませ反応を観察しましょう。


インフルエンザワクチンの接種に適さないのはどんな子どもでしょうか?


 - 生後6カ月未満の赤ちゃんは接種できない。
 - 卵、ネオマイシン、ホルムアルデヒド、Triton X-100に対するアレルギーがある子どもは接種できない。
 - 現在発熱している、又は急性感染期にある赤ちゃんは、治癒後まで接種を延期するのが望ましい。


子どもにインフルエンザワクチンを接種する際の方法と量は?


 6-35カ月までの子どもで、以前にインフルエンザワクチンを接種したことがない場合は、2回に分けて一度に0.25 mlを接種し、間隔は少なくとも4週あけます。以前にワクチンを接種したことがある場合は、一度の接種で0.25mlを接種します。

 


 小児科医師から親の皆さんへ お子さんが良い生活習慣と衛生習慣を保てるよう助けてください。水分補給を欠かさず、人が多く集まる公共の場所を避け、しっかりと手を洗い、手で口や鼻や目を触らないように、咳をする際には自分の手ではなくティッシュなどで押さえるように教えましょう。こうした方法はインフルエンザウイルスの侵入を防ぐ助けになります。


 冬はインフルエンザが流行する季節ですが、インフルエンザワクチンを接種してから抗体ができるまでには2週間必要なので、10月、11月はインフルエンザワクチンを接種する最良の時期だと言えます。早めにワクチンを接種し、早めにインフルエンザ予防策を講じて、お子さんを守るようにしましょう。