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【名医話養生】 | 王国瑋先生:冬季の食事療法――ナッツ編

 冬は、活発だった生命活動が鈍くなり、動から静へ変化していく季節です。この季節に合わせた「食事療法」は、秋・冬に「陰」を養うという原則を守り、「陰」を補うとともに「陽」を鎮める食物を食べることです。例えば、タンパク質、ビタミン、セルロースを多く含むナッツがあります。


 ナッツは植物の栄養源が凝縮された部分であり、成長発育、体質強化、病気予防に大変効果があります。漢方医によると、ナッツはやや「温熱性(体を温めるもの)」の食べ物で、他の季節に多く食べると、「上火(体に熱がこもること)」の原因になりますが、冬季に適量食べると、寒さに負けない身体になります。また、冬は「腎」を養うのに良い季節なので、「腎を養い、脳を健やかにする」効果を持つナッツは、冬の食事療法に相応しい食品だと言えます。もちろん、身体状況に合わせて、適量を摂取することこそが、栄養補助と養生の目的を達成することができます。


くるみ

 腎、肺を強め、腸を潤して便通を促し、脳の働きを良くして認知症を予防し、血液を浄化し、コレステロールを下げる効果があり、動脈硬化の予防についても高い栄養価値があります。

 

食事療法レシピ:くるみ粥

【材料:くるみの実50g、玄米100g、氷砂糖適量】

①くるみを温水に浸して皮を剥き、小さく切ります。

②鍋に玄米、適量の水を入れて強火にかけ、煮立ったら弱火にして煮込みます。

③くるみと氷砂糖を加えて、さらに15分ほど煮込みます。

落花生

 胃腸を整え、肺を潤して痰を切り、栄養をつけて気の流れを整える効果があり、主に栄養不良の人、少食で体が弱い人、痰の少ない咳、母乳の出が悪い人などに用いられます。ナツメとともに調理すると、脾の働きを良くして血を補い、貧血の治療に補助効果があります。

 

食事療法レシピ:落花生とナツメのお粥

【材料:落花生50g、ナツメ10個、玄米100g】

①落花生を茹でます。

②鍋に玄米、適量の水を入れて強火にかけ、煮立ったら弱火にして煮込みます。

③落花生、ナツメを加えて、さらに15分ほど煮込みます。

 


 胃腸を整え、腎の機能を高めて腰を強くし、腱や筋膜を強化して血の流れを良くする効果があります。中国唐代の名医である孫思邈は「栗、腎の果物、腎病に有益である」と言っています。栗には澱粉、タンパク質、脂肪、ビタミンB群等の栄養素が多く含まれており、高血圧、冠状動脈硬化による心臓病、骨粗しょう症の予防に効果的です。

 

食事療法レシピ:栗と山芋のお粥

【材料:栗30g、ナツメ10個、山芋15g、しょうが6g、米100g】

①栗をゆでで皮を剥いて小さく切り、山芋は皮を剥いて、適当なサイズに切ります。

②米、水、栗、山芋などを入れて煮込めばできあがり。

③いただく時に、黒砂糖を加えてもよいでしょう。


松の実

 腎の機能を高めて気を補充し、血を増やして腸を潤し、便通を良くし、肺を潤して咳を止める効果があります。便秘及び痰の伴わない乾いた咳に効果的です。松の実に含まれている脂肪は、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸であり、血管を軟らかくし動脈硬化を防ぐ効果を持っています。

 

食事療法レシピ:松の実とトウモロコシの炒め物

【材料:松の実30g、トウモロコシ(スイートコーン)150g、ネギ5センチ】

①フライパンに松の実を入れて、弱火で色づくまでゆっくり炒め、取り出します。

②フライパンに油を入れて、トウモロコシを入れて炒め、取り出します。

③みじん切りしたネギをフライパンに入れて、炒めてから、松の実とトウモロコシを入れて、塩と砂糖を入れて炒めます。

 

 漢方医によると、「陰」と「陽」の動態的バランスを保つことが健康の基本であり、「陰」と「陽」の偏った状態は病気の原因になります。「養生」というのは、まさにバランスを整えることを指しています。仕事と休憩、運動と回復、支出と所得、食事療法と栄養摂取、これらはすべて心身のバランスを取りながら、進みていかなければなりません。これこそ養生の根本です。